令和3年5月11日
当機構単独主催にて「第5回 介護離職防止対策シンポジウム兼2020年度第3回介護離職防止対策アドバイザー勉強会」を開催いたしました。
新型コロナウィルス感染拡大防止の緊急事態宣言発令中につき、八重洲会場からの参加は中止とさせていただきました。
八重洲会場にはスタッフ並びに2部のスピーカー5名、計12名、そしてZOOM会場では最大140名超のお客様をお迎えしてシンポジウムを無事開催、そして終了することができました。
今回のテーマは「知識の行動化」ということで、
第1部は当機構代表理事による『社内支援制度の説明の仕方と注意点』というタイトルのセミナーを
2部には9名のスピーカーと勉強会参加中のアドバイザーさんによる
『介護離職防止対策アドバイザーによる 知識の行動化 知って得した10の事例』というタイトルでリレートークを行いました。
1部のセミナーでは
介護離職防止対策アドバイザーとして、人事部として、経営者として、管理者として、カウンセラーとして、社内の支援制度を従業員に説明する立場にある方に向けて、
社内支援とはなにか、どのような点に留意しながら説明すべきなのか、などといったお話をさせていただきました。
そして、最後には介護の合言葉をご唱和いただきました。
きっとオンライン参加者も自席でつぶやいてくださったに違いありません。
皆さんの声は八重洲の会場にしっかりと届きました。
ありがとうございます。
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・介護について相談する先や相談の仕方がよく分かった
・改めて人事担当として何をしないといけないかを知れた
・制度説明のコツとともに、制度の設計などについても再確認できたため。
・ちょうど社内で上司向けセミナーを実施しているところで 制度の説明テクニックについて非常に勉強になった
・単に知識があるだけではなく、従業員に伝えるときのポイントが明確
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等のお声を頂きました。
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2部のリレートークでは
キャリアコンサルタントとしてシニア支援を行っている森さんのお話から、介護離職防止対策の知識はキャリア支援に携わる方には必須の知識であることがわかりました。
臨床心理士としてご活躍の近藤さんのお話からは、介護離職防止対策の知識をもっているか否かで、相談対応が変わる事がわかりました。
当機構の理事である飯野は、介護相談を受けるプロフェッショナルへのヒントをたくさんいただきました。「誰が困っているのか、何にこまっているのか、どうしたいのか」のうち、誰が困っているのか、はとても大事で、相談者が困っているのか要介護者が困っているのか、その後の支援が大きく変わっていきます。
現役のケアラーである大辻さんからは、ケアマネジャーの役割を知る前と後で、ケアマネジャーをはじめとする介護職員への感謝が大きく変わったお話を頂きました。
島根からZOOMでご登壇くださった今岡さんは、出雲市役所主催の介護離職防止セミナーを受講後、介護休業の申し出があった時に、すぐに許可を出すのではなく、地域包括支援センターへの相談は終わっているのか、などの少し突っ込んだお話ができるようになったと、報告を頂きました。
少し変わった視点からは、月額550円のコンサルティング(ケアラーズコンシェル)を受けて、介護の勉強をしていたがゆえに、不動産業者としての超高齢問題の明確化やその対処などが進むようになった、というお話。これはBtoCビジネスをされている方にはビジネスチャンスを広げるヒントになったのではないでしょうか。
さらには、3社に企業事例を報告いただきました。
ダイバーシティ担当がいくら頑張っても肩透かしにあう、しかしながら、心折れることなく向き合っている姿は勇気をもらいました。
新入社員に給与明細の読み方等の研修から、社会保険の知識の教授をしている、という工夫は目からうろこなお話でした。
さらに、継続的な取り組みから現場の声がダイバーシティ担当に上がってくる仕組みもヒントがたくさんありました。
さらに10事例目として、ZOOM参加している介護離職防止対策アドバイザーにお話をうかがいました。
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・様々な企業の事例を知ることができたからです。
・厳しい状況の中、様々な策を考え、アクションを起こされていることに勇気づけられました。また、視点の転換も図れそうな事例もあり、大変勉強になりました。
・様々な事例をご紹介いただき、照らし合わせて考え、今後の参考にしていきたい内容でした。
・予想していなかった現場の声が聞けて、本質的な問題に向けての気持ちが高まった。
・若い世代から考えていかなければならないことがよくわかった
・各会社のリアルな活動状況で小さな会社でも真似できそうなポイントも見えた気がして良かったです。
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等のお声を頂きました。
さらにはZOOMのチャット機能を使って、質問を投げかけてくださった方も多く、この時間は登壇者も参加者も皆が同じ方向をみて、同じ課題に向かって問題意識を持てた、とても有意義な時間だったように思います。
ご参加下さった皆さま、心より感謝申し上げます。
全体的な感想としては以下のようなお声を頂きました。
・さまざまな立場から見る「介護離職」リスクが理解できてよかったと思います
・新しい情報や各会社のリアルな活動を聞かせていただきとても参考になりました
・知識だけでなく、それを実装されている例も聴けたから。
・介護の悩みだけでなく、多くの事が絡んでくるという事が改めて理解が出来ました。様々な事例を一度に聞くことが出来て有り難いです。
・介護離職防止の対策をD&Iの観点も含め、対応を考えていなかった
・一度に3人程度の方の話を聞く機会はあっても、ここまで多くの方の話を聞く機会はなかなかないので、それだけでも参加した価値がありました。さらに無料というのがすごい。聴講料をとってもいいイベントだと思いました。
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改善するべきことも多くいただきました。ありがとうございます。
それもこれも、開催したが故の宝であり、本シンポジウムを開催できたことに心より感謝申し上げます。
最後になりますが、
シンポジウム中に頂いた質疑コメントで、シンポジウム中に回答できなかったものについては以下の通りです。
「介護をしながら働くことが当たり前の社会を作る」為に
当機構は介護離職防止対策アドバイザーの皆さんとともに力強く活動を続けてまいります。
引き続きご指導ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。
KABS和氣美枝
【概要】
開催日時 令和3年5月11日(火)14:00-17:00
会場 ZOOMを使ったオンライン会場
主催 一般社団法人介護離職防止対策促進機構
登壇 株式会社マイキャリア・ラボ 代表取締役 森ゆき
合同会社労務トラスト 臨床心理士 近藤雅子
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー/KABS理事 飯野三紀子
現役ケアラー 大辻麻衣子
株式会社島根富士通 総務部 人事・総務担当 今岡玲子
株式会社ハウスメイトマネジメント ソリューション事業本部 課長 伊部尚子
日本電設工業株式会社 人事部 働き方改革推進部長 佐々木智絵
アジアパイルHD株式会社 内部統制担当取締役 兼 ジャパンパイル株式会社 常務取締役 業務管理担当 重松徹
国立研究開発法人理化学研究所 ダイバーシティ推進室 主査 松尾寛子
株式会社ワーク&ケアバランス研究所 代表取締役 和氣美枝
【コメント欄にあった未回答の質問】
※感想やスタッフとの会話については割愛させていただきます。
※限定公開の予定でしたが、内容的に一般公開にいたしました。
Q1)入社間もない、雇用期間が短いと介護休業は取れないと思っていました!
A1)育児・介護休業法のあらまし(令和2年11月作成)より以下抜粋
■介護休業の対象となる労働者
○ この法律の「介護休業」をすることができるのは、要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者です。
○ 日々雇い入れられる者は除かれます。
○ 期間を定めて雇用される者は、申出時点において、次のいずれにも該当すれば介護休業をすることができます。
① 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
② 取得予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までの間に、労働契約
(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
○ 労使協定で定められた一定の労働者も介護休業をすることはできません。
■事業主の義務
○ 事業主は、要件を満たした労働者の介護休業の申出を拒むことはできません。
○ ただし、次のような労働者について介護休業をすることができないこととする労使協定があるときは、事業主は介護休業の申出を拒むことができ、拒まれた労働者は介護休業をすることができません。
① その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
② その他介護休業をすることができないとすることについて合理的な理由があると認められる労働者
つまり、その企業に労使協定が無ければ、介護状態にある対象家族を介護する男女労働者で、その事業主に期間の定めなく雇用されている労働者であれば、申し出ることは可能、ということになります。
Q2)介護環境整備に伴うおおよその所要時間については、⓸、➄いがいでtaotal7日程度と考えて問題ないか?
A1)
介護者が会社を休む時期間(物理的に体がとられる時間)として考えるのであれば1、2、3、6、9、は1日または半日の休暇が必要ですので、計5日。
7は電話等でもやり取りできます。対面は希望によりですが1日から2日あったら安心かもしれないです。
8は見学の事業所数によって所要時間は変わると思います。仮に2日とします。
トータルで介護者の身体が必要な時間は10日前後と考えていいと思います。
また、初めての介護環境整備という意味であれば、1から10までの期間は1カ月半ぐらいかかると思ってください。
6~8の作業を2~5までと並行作業で行い、5の認定が出た時点で9に進められるようにかつ、10を●月●日と設定したい、など、2の時点で地域包括支援センターと綿密な打ち合わせが出来れば、素晴らしいと思いますが、それを実現するには、並走してくれる支援者が必要だと思います。
Q3)
介護とテレワークについても少し伺います。
在宅勤務と介護はどのように線を引けばよいでしょうか。
例えば裁量労働制などの採用など事例を教えてください。
A3)
在宅勤務と介護はどのように線を引けばよいでしょうか。
在宅勤務は勤務場所が自宅なのか会社なのかの違いです。
要介護者と同居の場合、在宅勤務中に要介護者も同じ空間にいると、どうしても要介護者の事が気になったり、お世話をしたくなります。しかし、そこでお世話をしてしまったりして、物理的な時間を要介護者に費やすことは「勤務時間内」にすべきことではありません。
それは、例えるなら、オフィスで仕事をせずに携帯電話やPCでネットサーフィンして介護情報を検索しているのと同等の行為と考えます。
在宅勤務をしたがゆえに、上記のような状態が続くのであれば、在宅勤務を見直すべきと考えます。
解決策としては、物理的に線を引けることが一番です。
仕事中はお互いに別の部屋にいて、仕事中に要介護者からの呼び出しがない状態、仕事に集中出来る環境を保てれば問題ありません。
または、在宅勤務中には要介護者にデイサービスなどの利用をしていただく方法もあります。
裁量労働制など、新たな制度を設けることは好ましいとは思いません。
在宅勤務制度の導入目的が何なのか、という視点から、業務に集中出来る環境整備を考えるといいと思います。
Q4)本日の発表者はすべて女性の方ですが、なにか意図がありますでしょうか?
A4)男性にも発表をお願い致しました。